ブログblog
症状が出る前にリスクを知る「歯科ドック」|一生モノの歯を守る精密検査の内容と費用

「毎日欠かさず歯を磨いているのに、なぜかむし歯や歯周病を繰り返してしまう」
「今は特に痛いところはないけれど、将来もずっと自分の歯で食事ができるか不安がある」
「一般的な歯科検診では問題ないと言われたのに、突然歯ぐきが腫れてきた」
当院には、ご自身の健康に対する意識が高く、将来を見据えてお口の状態を根本から知りたいと願う患者さまが数多くご来院されます。お身体の健康を守るために毎年「人間ドック」を受ける方が多い一方で、お口の中に関しては「痛くなってから歯医者に行く」という方がまだまだ多いのが日本の現状です。
しかし、むし歯や歯周病といった歯科疾患の恐ろしいところは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないまま静かに進行する点にあります。痛みや歯の揺れを感じたときには、すでに神経を抜かなければならなかったり、歯を支える骨が大きく溶けてしまっていたりすることも珍しくありません。
私は歯科医師として、悪くなってから歯を削るのではなく、「そもそもなぜ病気になるのか」という根本的なリスクを事前に知り、未然に防ぐことこそが最大の治療であると考えています。
この記事では、当院が実践しているお口の総合精密検査「歯科ドック」の具体的な内容や、一生モノの歯を守るための予防システムについて詳しくお話しいたします。未来の健康への確かな投資として、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. なぜ「痛くなってから」では手遅れになるのか
自覚症状なく進行するお口の病気の怖さ
歯を失う二大原因であるむし歯と歯周病は、どちらも初期には痛みなどのサインをほとんど出しません。特に歯周病は「沈黙の病」とも呼ばれ、歯ぐきの奥深く(歯周ポケット)で細菌が繁殖し、歯を支える歯槽骨を少しずつ溶かしていきます。また、過去に治療した詰め物や被せ物の内部で静かに進行する二次むし歯も、気づいたときには神経まで達しているケースが多々あります。一度削った歯や溶けてしまった骨を元の状態に完全に戻すことは、どれほど高度な医療技術をもってしても容易ではありません。
一般的な歯科検診と「歯科ドック」の決定的な違い
「定期的に検診を受けているから安心」と思われるかもしれませんが、保険診療の範囲内で行われる一般的な検診は、主に「現在すでにできているむし歯や歯石がないか」を肉眼で確認するにとどまります。つまり、病気の「結果」を見つけるための検査です。
これに対し、当院が自由診療(自費診療)でご提供している「歯科ドック」は、病気が発生する前の「原因とリスク」を科学的に突き止めるための精密検査です。先進的な機器と十分な時間をかけ、お口の中を隅々まで調べ上げることで、将来どの歯がどのような理由で悪くなる可能性があるのかを高い精度で予測します。
2. お口の現在地と未来を予測する「歯科ドック」の精密検査内容
歯科用CTとレントゲンによる立体的な骨・歯根の診査
通常の平面的なレントゲン写真だけでは、歯の根の複雑な形態や、歯を支える骨がどの方向にどれだけ溶けているかを正確に把握することはできません。当院では歯科用CTを活用し、顎の骨や歯根の状態を三次元の立体画像として詳細に分析します。これにより、肉眼では見えない根の先のわずかな病変や、骨の隠れた吸収を逃さず捉えることができます。
マイクロスコープを用いたミクロ単位の視覚的チェック
歯科用顕微鏡である「マイクロスコープ」を使用し、お口の中を数十倍に拡大して診査します。肉眼では見落としてしまうような歯の微細なヒビ(マイクロクラック)や、過去の詰め物と歯の境目に生じたわずかな段差・隙間までを鮮明に確認し、隠れた感染源を洗い出します。
唾液検査と細菌検査による「隠れたリスク」の特定
「同じように歯を磨いているのに、なぜ自分だけむし歯や歯周病になりやすいのか」という疑問の答えは、唾液の質や常在菌の種類にあります。唾液には本来、お口の中の酸を中和し、歯を修復する素晴らしい力が備わっています。当院では唾液の量や中和力、そしてむし歯菌や歯周病菌(レッドコンプレックスなど)の活動性を科学的に測定し、あなた固有の体質的なリスクを詳細に把握します。
噛み合わせと顎関節のバランス診断
お口の健康を脅かすのは細菌だけではありません。無意識の歯ぎしりや食いしばり、あるいは噛み合わせのズレによって特定の歯に過剰な力がかかると、歯が割れたり歯周病が急速に悪化したりします。口腔内写真や模型、顎の動きの診査を通じて、上下の顎のジョイントである顎関節のバランスや力の負担のかかり方を精密に評価します。
3. 検査結果をどう活かす?科学的根拠に基づく「MTM」との連携
アクセルソン博士の研究が示す「自己診断とリスク把握」の重要性
歯科ドックは、ただ検査をして結果をお渡しするだけのものではありません。当院の診療の柱である「MTM(メディカルトリートメントモデル)」の最も重要な出発点となります。予防歯科の世界的権威であるスウェーデンのペール・アクセルソン博士は、30年間にわたる臨床研究により「リスク部位にフォーカスした専門的ケア」と「ご自身の理解に基づくセルフケア」を組み合わせることで、97.7%という高い確率で歯を守り抜けることを実証しました。まずはご自身のお口のリスクを正確に知ることが、一生歯を守るための第一歩となるのです。
あなただけのオーダーメイド予防プログラムの立案
歯科ドックで得られた膨大なデータは、歯科医師とSDAエキスパート認定歯科衛生士が連携して徹底的に分析します。そして、後日時間をかけてカウンセリングを行い、現在の状態と将来の予測を分かりやすくご説明いたします。もし治療が必要な箇所が見つかれば最小限の侵襲で精密に治療を行い、その後はあなたのリスクに合わせた完全オーダーメイドの予防管理プログラム(SOT)へと繋げていきます。
4. 患者さまからよくいただくご質問・ご不安への回答
Q. 今はまったく痛みがなく、気になるところもないのですが受診して良いのでしょうか。
A. もちろんです。むしろ、何の症状もない健康なうちにこそ受けていただきたいのが歯科ドックです。症状が出てからでは、どうしても歯を削ったり神経を抜いたりする処置が必要になってしまいます。問題が表面化する前にリスクの芽を摘み取ることで、将来かかるはずだった大きな治療費や通院期間、そして身体的・精神的な負担を大幅に減らすことができます。
Q. 検査にはどのくらいの時間がかかりますか?また痛みはありますか?
A. お口全体の精密な写真撮影やCT撮影、唾液検査、歯周組織の検査などを丁寧に行うため、検査自体には約60分から90分程度のお時間をいただいております。歯を削ったりするような痛みを伴う処置は一切ございませんので、人間ドックやサロンのような感覚でリラックスして受けていただけます。
5. 歯科ドックの費用目安と、受診にあたっての注意点
当院の歯科ドックは、保険診療の枠にとらわれず多角的な精密検査を行うため、全額自己負担の自由診療(自費診療)となります。標準的な費用の目安として、各種精密検査と詳細な分析レポートの作成、および歯科医師によるカウンセリングを含め、約33,000円〜55,000円(税込)程度となります(検査項目の組み合わせにより変動する場合がございますので、ご予約時に明確にご案内いたします)。
【検査に伴うリスクや注意点】
また、検査に伴うリスクや注意点についても事前にお伝えしております。レントゲンや歯科用CTの撮影にはごくわずかな放射線被曝を伴いますが、医科用のCTと比較して極めて少ない線量に抑えられており、人体への影響はほとんどない安全なレベルです(ただし、妊娠中または妊娠の可能性がある方は事前にお申し出ください)。また、歯周ポケットの深さを測る検査の際に、歯ぐきに強い炎症がある場合はチクッとした軽い刺激や微量の出血を伴うことがありますが、一時的なものですのでご安心ください。なお、正確な唾液検査を行うため、検査直前のご飲食や歯磨き、喫煙などは控えていただくようお願いしております。
6. まとめ|10年後、20年後もご自身の歯で笑うために
天然の歯は、一度失ってしまえばどんなに高価なインプラントを入れても完全に元通りになることはありません。しかし、ご自身のお口に潜むリスクを正しく知り、科学的根拠に基づいた予防を継続すれば、むし歯や歯周病は防ぐことができる病気です。
「自分の歯を一生大切にしたい」「治療の繰り返しから抜け出したい」とお考えなら、まずはご自身のお口の現在地を知る歯科ドックから始めてみませんか。当院は予防専用フロアも併設し、あなたが快適に生涯のお口の健康を育んでいける環境を整えてお待ちしております。
東京都の渋谷区代官山エリアで、精密な歯科ドックや予防歯科についてのご相談なら、ぜひ代官山WADA歯科・矯正歯科へお任せください。
あなたの大切な歯の健康寿命を延ばすため、私たちが誠心誠意サポートいたします。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者情報
【略歴】
- 2005年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
- 2006年~2016年 10年間東京都内の会員制自由診療専門のクリニックにて、卒後2年目より院長を務める
- 2008年~2011年 東京医科歯科大学 歯学部歯髄生物学分野専攻生
- 2016年 10月 和田デンタルクリニック亀戸(現:亀戸WADA歯科・矯正歯科) 開院
酒田 日吉歯科にて熊谷先生のOPセミナー参加 - 2018年 Harvard大学interdisciplinary course参加/Freude International Academy 参加 (オーストリア咬合学)
- 2019年 Harvard大学にて【NIRIを用いた隣接面う蝕検知】 について共同研究/インビザラインシステムコース参加/スイスBern大学にてITI education weeks参加/シカゴにてAmerican Academy of dental sleep medicine ‘mastery program’参加
- 2021年 PHIJ BASICコース参加
- 2022年 代官山WADA歯科・矯正歯科 開院
- 2024年 Straumann PROARCH 参加
RECENT POSTS最近の投稿
ARCHIVE月別アーカイブ
-
2026年 (31)
-
2025年 (41)
-
2024年 (34)
-
2023年 (42)
-
2022年 (36)
-
2020年 (1)









