自由診療専門医院の
治療に対する思い

銀歯が主流なのは日本だけ?

銀歯は、金銀パラジウム合金と呼ばれる素材を使用しています。
日本では被せ物と定番となっていますが、海外ではほとんど使用されておらず、銀歯を用いた治療を行っているのは日本くらいのものなのです。

その理由は大きく分けて2つです。
1つ目は、審美性の問題です。銀歯が見えてしまうのは、やはり見た目的に良くありません。2つ目は、アレルギーの問題です。金銀パラジウム合金は、金属アレルギー反応を引き起こす可能性があるため、海外では禁止されている国もあるくらいです。

日本人の歯の残存数は
他国に比べて少ない?

日本人の歯の残存数は他国に比べて少ない?

80歳前後の歯の平均残存数を調べてみると、スウェーデン人は20本、アメリカ人は17本というデータがあります。
では、日本人の歯の残存数はどうなのかというと、80~84歳の方のデータで15.3本となります。
85歳以上になると平均10.7本までに減り、急速に歯を失うことが分かっています。

永久歯の歯の本数は、28~32本です。
80歳までに20本の歯を残そうとする”8020(ハチマルニイマル)運動”なども掲げられ、今日本では、予防治療に力を入れることが推奨されています。

日本人の8割が歯周病?

日本人の8割が歯周病?

歯周病は、口臭や歯を失う原因になります。
また最近では、歯周病が心筋梗塞や脳梗塞、心臓弁膜症といった疾患の原因になることも分かっていて、軽視できません。

日本人の内、歯周病にかかっている患者さまとその予備軍の割合は、20代で約70%、30~50代で約80%、60代では約90%にもなるといわれています。
全身の健康のためにも、歯周病の治療、歯周病にならないための予防や対策は必須です。

外国人からすると、日本人の歯は「歯並びが悪くて、色が黄色く、笑うと銀歯が見える」、そんなイメージがあるそうです。

もちろん全ての方に当てはまるわけではありませんが、歯の予防意識の高い外国人からすると、「何故日本人は歯医者に行かないんだろう」と疑問に思っているのかも知れません。

日本人は骨格的に歯が大きく、顎が小さい傾向があり、歯並びの悪さに通じます。
日々のお手入れを欠かさずしていても、磨き残しができやすく、日本人の歯というのは、虫歯や歯周病になりやすいものなのです。

そのため、本来であれば、外国人よりも日頃から歯の健康に気遣わなくてはいけないはずです。しかし、現状の日本人の歯科に対する考えは、「症状が出てから行くところ」という認識が抜けていません。

日本人はもっと予防意識を高めていかなくてはなりませんし、歯の治療を担う歯科医院も、患者さまの予防意識の向上と丁寧かつ高度な治療技術が求められています。

しかし、日本の歯科治療技術というのは、他の先進国と比べて決して高くはありません。

こんなことを思ったことは
ありませんか?

「歯医者に通ってみたものの、何回も通ってるのに一向に終わる気がしない。一体、いつまで通えばいいの?」

「虫歯の治療をしてもらっているけど、今どんな治療をしてもらっているか分からない。1本の歯の治療にこんなに時間がかかるの?」

「本当にこの治療法がベストなのか分からない。他にもたくさん方法があるんじゃないの?」

患者さまの中には、歯科医の対応について疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?何故、そうなってしまうのか、その大きな理由の1つに歯の治療費が安いことが挙げられます。


※日本は圧倒的に歯科治療の費用が安い

日本の歯の治療費はとても安く、アメリカの1/10、スウェーデンの1/5ほどだといわれています。
国内の歯科医院のほとんどは、保険診療制度を利用しているので、日本の患者さまの負担は実質3割で済んでいます。(残りの7割は国が負担してくれています。)

患者さまにとって費用がかからないのはいいことですが、保険適用外の診療(自由診療)もあるため、一概に安い治療が良いとは言い切れません。

自由診療と保険診療の違い

自由診療とは?

自由診療とは?

保険が適用されない治療のことを、自費治療や自由診療といいます。
厚生労働省が承認していない治療、承認されていない薬や材料を使用する場合など、健康保険が適用されないものを指します。

保険診療の場合の患者さまの負担額は、1~3割となり、残りは国や自治体が負担してくれています。
一方、保険外診療(自由診療)の場合は、全額自己負担となるため、高額になってしまうことも少なくありません。

また、この費用に関しては、歯科医院がそれぞれ費用を自由に決めることができるので、医院によって同じ診療でも費用が変わるのが基本です。

まだ、認可のおりていない素材や治療法を厚生労働省が認可するのには、相当の時間がかかります。正確な効果はもちろんのこと、副作用などのデメリットも考慮して決定していく必要があるためです。

海外では当たり前に行われているような治療なのに日本ではまだ承認がおりていないといったケースも少なくありません。
そういった治療法を自費という形で行うのが、自由診療です。

自由診療は、比較的新しく、有用な質の高いものが提供されていることが多いので、治療費は関係なく、自身の歯の寿命を延ばすために必要なものと考えている方にはとてもおすすめです。

しかし、所得が低く、支払いできる保険治療しか受けられない方もいるため、医療格差が生まれると度々問題視されています。
私としては、これからどんどん承認が増え、幅広い治療の中から選択できる世の中になって欲しいと考えています。

保険診療とは?

保険診療とは?

私たちが普段保険証を提出して、受けている診療は”保険診療”と呼ばれるものです。
全ての国民が貧富の差なく、平等に医療を受けられるようにと、1961年に国民皆保険制度が定められました。

保険制度に定められたものであれば、日本中のどこの病院にかかっても費用は同じです。患者さまの払う治療費は、保険より一定の負担額を支払うものになっているので、多少の差はあれど、経済的な負担は少なく済みます。

誰しもが利用する制度ですので、非常に有り難いものになっていますが、この保険に適用している治療法とそうでない治療法があります。診断内容や使用する薬、材料などは全て定められているので、最良の医療が受けられるというわけではありません。

この保険診療は、”病気に対しての必要最低限の治療”という条件のもとに定められています。

そのため、歯科の分野においては、ホワイトニング、歯科矯正、セラミックなどは保険適用外となります。
病気の治療という意味では、歯を白くすること、歯並びを良くすること、見た目をよくすることというのは、別のものと考えられ、本人の実費が求められます。

保険診療の観点では、虫歯が治れば良い、入れ歯が入って噛めたら良いという範囲での診療しかできないのです。

自由診療と保険診療は
併用できないの?

混合診療は原則禁止されています。

混合診療は原則禁止されています。

自由診療と保険診療を併用する”混同診療”は、原則として禁止されています。
保険適用内でも構わないと思う部分は保険診療として、希望した内容のみ自由診療を受ける、といったことは今のところできません。

国民皆保険制度というのは、平等という趣旨がもとになっているので、混合診療を認めてしまうと、平等でなくなってしまうというのが大きな理由です。

お金を持っている人とそうでない人の差を極力少なくするには、今の国民皆保険制度をそのまま維持していく必要があります。

また、混合診療が認可されると、医療の質が担保されないこと、国民の医療費が増加し、国家財政難になる可能性なども考慮されています。

利用する私たちとしては、選択の幅が広がる”混合診療”にメリットを感じてしまいますが、なかなかそういうわけにはいかないのが日本の現状です。

自由診療の
メリット・デメリット

自由診療のメリット

経済的な負担は増えますが、より患者さまのご要望に合わせた診療が可能となります。海外で評価の高い新しい技術など、日本でまだ認可のおりてない治療も受けることができます。

また、自由診療にかかる費用は、各医院が独自に価格や内容を決めることができます。各診療所の競争原理がはたらくため、保険診療よりも質の高いサービスを提供するのが普通です。
これは、歯科医院にも同じことがいえます。

患者さまの要望に沿った”満足できる診療”ができるのは、圧倒的に自由診療といえます。多少費用をかけてでも、良い仕上がりを求めたい方におすすめです。

自由診療のデメリット

経済的な負担が何と言ってもデメリットです。
自由診療と保険診療を比べるのは難しいですが、保険適用の治療に対して3割しか負担していないとなると、簡単にいってしまえば、自由診療は3倍以上の費用がかかるということです。

より良い診療があったとしても、経済的な理由でそれを選択することができない可能性もあります。また、同じ自由診療の中でも安い妥協した診療を選ばざるを得ないことだってあるかもしれません。
このあたりは、患者さまの経済的な都合と本人の希望で大きく変わってきます。
特に歯科矯正などの継続的な治療が求められる場合などは、負担も大きくなってしまいます。

先程紹介させていただいた通り、日本では混合診療が認められていません。
そのため、治療内容の一部に”自由診療”を選択してしまうと、本来保険適用の診療も全て自由診療となってしまいます。
自由診療を選ぶデメリットの1つです。

自由診療に関しては、内容も全て医院が決定できるものですので、アフターサービスがどのようになっているかも確認しておく必要があります。

機能性と美しい仕上がりが
期待できる自由診療の技術

治療精度を高くできる

治療精度を高くできる

通常の歯科治療は、歯科医の肉眼で患者さまの口腔内を見て治療を進めていきます。
しかし、当院の自由診療では、特殊な拡大鏡(サージテル)を利用して診療を進めています。
これにより、肉眼では見えないものをシャープに捉えることができます。

歯の細部を明るく拡大して見ることができるので、精密且つ確実な診療が可能です。
肉眼では見え方に限界があるので、このような精度の高い診療を選べるのは、自由診療の大きなメリットとなります。

当院の場合は、2.5倍と8倍の拡大鏡を症例に応じて使い分け、診療に活用しています。

精密な型がとれる印象材

口腔内の型をとるために使用するものを”印象材”といいます。
歯の詰め物や被せ物、入れ歯なども印象材を使って、患者さまの口腔内の型をとって作るものです。
精度の高い型がとれれば、質の良い治療が可能であり、治療後の使用感も良くなります。

シリコンの印象材

寒天の印象材

保険診療では、海藻の寒天でつくられた印象材が使われています。
水分量が多いのでちぎれやすく、時間とともに変型がみられることもあるというデメリットがあります。

詰め物や被せ物と歯の間に隙間ができてしまうこともあり、それが虫歯の原因になるなど、寒天の印象材は少々精度が悪くなります。

自由診療では、シリコン製の印象材が使われます。
寒天の印象材は変型したり、ちぎれることが少ないので、安定性が高く、精密度の高い型をとることができます。

隙間が生まれにくいので、使用感も良く、虫歯などのリスクを軽減できます。

より丁寧な作業工程

歯の詰め物や被せ物、入れ歯等は、歯科技工士が全て作成しています。
そして、歯科技工士の作業料に関しても、保険制度によって定められています。

保険適用内の詰め物、被せ物、入れ歯を作る際の作業料は安価ですので、短い時間でたくさんの被せ物を作る必要があります。

自由診療の場合は、作業量が高価ですので、1つ1つに時間をかけ、顕微鏡を使いながら、丁寧に作成することができます。変型や変質の少ないシリコン製の型を使用するので、よりその精度は高まります。

患者さまに合わせた材質の被せ物

患者さまに合わせた材質の被せ物

保険診療で白い被せ物を使用できるのは、右の犬歯から、左の犬歯までの計6本の歯に対してです。これらの歯には、金属の表面をレジンで覆ったものが使用されます。ただし、強度は弱く、変色もしやすいです。
奥歯にいたっては、基本的に銀色のいわゆる”銀歯”を選ぶしかありません。

自由診療は、材質を自由に選ぶことができるので、奥歯にも白い被せ物を使うことができます。全て陶器でできたオールセラミックや、金属を陶器で覆ったメタルセラミック、プラスチックと陶器を混ぜてつくられたハイブリッドセラミックなど、多くの種類から患者さまの要望に合った被せ物を選んで使用することができます。

被せ物の適合の違い

被せ物の適合の違い

自由診療では、精度の高い型をとり、それを丁寧に形にする歯科技工士によって、隙間のない被せ物をつくることができます。
一方、保険診療は被せ物と歯の境目に隙間ができやすく、そこに汚れが溜まりやすくなってしまうのです。
汚れが溜まった部分は細菌の温床となり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

歯科における自由診療と保険診療の違いは、見た目や材質の違いだと考える患者さまも多いですが、こういった予防的観点からも、大きく違いがみられます。
私たち歯科医療に携わるものとしては、この予防的観点は特に重要視していて、自由診療を勧める理由の1つになっています。

治療後の虫歯や歯周病のリスクを避け、歯の健康を維持するという理由でも、自由診療を選ぶ選択が生まれます。

溶けにくい接着剤

歯と被せ物を付着させるには、接着剤を用います。一般的に使用されている保険適用内の接着剤は唾液によって溶けてしまうことがあり、溶けてしまうと当然被せ物が取れてしまいます。

外れることはレアケースですが、浮いてしまうといったことは良くあり、その部分に細菌が入り、虫歯や歯周病を引き起こす可能性もあります。

自由診療では、唾液に溶けにくい接着剤を使用し、より強力に歯に被せ物を取り付けることができます。

自由診療で選べる材質と比べ、銀歯はその材質や作る工程の問題によって、歯との適合性が良くありません。歯と銀歯の間に隙間が生じてしまうことも十分に考えられます。

できてしまった隙間には汚れが溜まり、細菌が増える原因となります。
こうなると、虫歯の再発や歯周病を引き起こす可能性が高まり、歯の健康を維持するのが難しくなってしまいます。

2次的な虫歯の場合は、再度歯を削って治療を行うため、歯の寿命をより縮めてしまうことになります。長期的、予防的に見ると、銀歯はおすすめできないのです。

歯に適合する詰め物や被せ物は、2次的な虫歯になりにくいので、結果的に歯の寿命を延ばすことに繋がります。

そのため、当院ではメタルフリー治療をおすすめしています。
メタルフリー治療とは、保険適用内の金属を使用するのではなく、自由診療で選べるセラミックを使用して、白い歯を維持するものです。
見た目も綺麗で、尚且つ2次的な虫歯を予防することができます。