MTM・歯科ドックについて
MTMについて
MTMとは?
- 初期のリスク評価
- 1人1人の患者さまに合わせた予防プログラム
- 小さな侵襲での治療
- メンテナンス
以上の流れを、MTM(メディカルトリートメントモデル)と呼びます。
従来の歯科医療は、早期発見と症状のある部分を外科的に修復したり、補綴することを目的としていました。しかし、近年はできだけ欠損しないように、欠損を遅らせるように、予防的な部分をマネジメントしていくように変わってきています。
このシフトチェンジにより、歯科医、歯科衛生士、歯科技工士等、歯科に従事する者の専門的な知識がさらに多く求められるようになりました。
その知識を活かすため、技術はもちろんのこと、患者さまが安心してご来院いただけるようなコミュニケーションも必要になります。
プライバシーに配慮した診療室、感染対策を徹底した歯科医院づくりも重要になります。
初診・診査・診断
初診では、ありとあらゆる可能性を考え、多方面の診査を行い、予防を進めていきます。
歯の病気というのは、年齢や部位、持っている細菌の種類や数、唾液の量や歯の性質などの要素が絡みます。
また、患者さまによってかかりやすい疾患があることもあります。
歯科予防は病気にかかりやすい部位や全身の状態を診査し、全てを把握した上で治療を行うのが望ましいといえます。
う蝕・歯周病の発症前治療・小さな侵襲での治療
歯を失う原因の90%は、歯の2大疾患である虫歯と歯周病です。
ただし、虫歯や歯周病にかかってしまったらもう治らない、ということではありません。
早期発見に努め、できるだけ早く治療・予防を行うことで、長期的に歯の健康を維持できる可能性が高まります。
虫歯や歯周病が見つかっても、科学的に細かい診査、診断を行うことで、小さな侵襲での治療が可能となります。
また、治療後の予防法も含め、具体的な治療計画を立案することができます。
予防メンテナンス
患者さまの口腔内に合わせたメンテナンスを予防を専門とする歯科衛生士が丁寧に行っていきます。
虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムを破壊・除去し、歯の寿命を少しでも延ばせるように努めてまいります。
MTMの流れ
成人の流れ
-
1検査
初めに患者さまの検査を行います。
検査項目は、
- パノラマ
- デンタル18枚
- 唾液検査
- 歯周精密検査
- 口腔内写真
- 問診
- 顏貌写真
- 血糖値
- パノラマレントゲン写真
- 歯周精密検査
- iTeroによる口腔内スキャン
- デンタルレントゲン写真(18枚 )
- PISA (歯周組織炎症の測定)
- キャンサースクリーニン
- CT
- 唾液検査
- 筋触診
- 口腔内写真(12枚)
- 位相差顕微鏡による細菌検査
- 骨粗しょう症検査
の15項目です。
-
2治療計画の説明
MTMを重視した治療では、症状の改善のみならず、治療後の定期検診も含めた長期の治療計画を立案させていただきます。
虫歯や歯周病になりにくい口腔環境を維持するため、患者さま1人1人の予防をサポートさせていただきます。
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3初期治療
歯の病気の原因は、”細菌の繁殖”です。
虫歯や歯周病の原因菌を減らすこともまた、初期治療となります。
虫歯や歯周病は、早期発見の段階であれば、この細菌感染のコントロールで自然に治癒するものです。
患者さまの持つ自然治癒力で治せるような初期治療に努め、できるだけ、それ以降の歯科医療が不要となるように予防を徹底していきます。
歯科医や歯科衛生士は、その予防を徹底できるように、生活習慣の改善や歯磨き指導、フッ素の塗布、歯のクリーニングといった治療を行っていきます。
原因を除去する療法ではありますが、歯の寿命を延ばす方法としてはとても有効且つ重要な部分だといえます。
-
4評価(検査)
患者さまの視診を行い、必要に応じて検査を行います。
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5治療
患者さま1人1人のお悩み、症状に合わせた治療を行います。
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6再評価(検査)
歯周病検査を再度行って、治療や日々のケアでどのくらい改善しているかを把握し、治療に活かします。
- 視診 CT撮影
- 触診
- 唾液検査
- 口腔内写真撮影
- レントゲン撮影
- 口腔内スキャン
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7SOT(サポーティブルオーラルセラピー)
再評価後、最終段階となるまでに、ホームケア・プロフェッショナルケアを患者さま自身で自己管理できるようにする期間のことです。
この期間に、ケアの支援と実践のサポートを行い、自宅でも虫歯や歯周病になりにくい口腔環境作りを行っていただけるようにします。
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8予防メンテナンス
虫歯ゼロ、歯石を除去した後でも、歯磨きのみでは日々の汚れを100%除去しているとは言えません。
歯というのものは毎日、毎食使用するものですので、徹底したケアが必要であり、歯科衛生士による継続的なメンテナンスも必要となります。
小児の流れ
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1初診
初診時はまず、保護者の方とお子さまの歯についてお話をさせていただきます。
普段のお手入れの方法などを伺った上で、お子さまのお口の中を視診します。
この時に虫歯の有無や歯周病検査も併せて行います。
視診後は、細かく口腔内の状況を把握するため、口腔内写真を撮影します。
また、必要に応じて、肉眼では確認できない部分を把握するため、レントゲン写真も撮影させていただきます。
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2説明1回目
唾液検査の結果をご説明させていただきます。
カリオグラムと呼ばれるソフトを活用し、現在のお子さまの口腔内の状況、虫歯のリスク、予防の改善点などを分かりやすく説明します。
口腔内のお手入れについては、日々の管理に大きく左右されるので、保護者さまも一緒に正しい口腔内の清掃法について、学んでいただき、実践をお願いしています。
これは、TBI(トゥース・ブラッシング・インストラクション)と呼ばれるもので、歯科衛生士による指導があります。
歯科衛生士によるプロフェッショナルケアも受けていただきます。
専用の器材を使用して、なかなか行き届かない隅々の清掃や歯石の除去を行います。
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3治療
虫歯や歯周病のリスクが改善されているかどうか、再度口腔内写真撮影や歯周病検査、唾液検査を行います。
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4説明2回目
歯の修復治療や口腔内の機能改善等、必要に応じて治療を行います。
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5予防メンテナンス
お子さまの口腔内の健康維持のためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
定期的にご来院いただき、成長に合わせた口腔内のチェックやアドバイスをさせていただきます。
また、定期検診では歯科衛生士による歯のクリーニングも受けていただきます。
MTM
(メディカルトリートメントモデル)
を導入した理由
理由
MTMは歯科予防プログラムであり、多方面の検査を行い、虫歯や歯周病の原因を除去する処置が可能です。
患者さま1人1人の口腔内の状況に応じた処置ができるので、虫歯や歯周病になりにくい環境を作りやすいといえます。
現在の日本の歯科治療の多くは、症状の改善が目的になっていることが多いです。
日本人のその認識は再発を繰り返す要因となり、結果的に歯を失ってしまう人が多いことに通じます。
歯を失う原因の85%を占めるのは、虫歯や歯周病です。
原因がはっきりと分かっているのに再発が多いのは、原因に対しての追究や認識がまだ進んでいないからだと考えられます。
虫歯、歯周病の原因を診断する検査を行っていないこと、また虫歯や歯周病になる前に歯科医院に通う習慣がないことなどが主な原因です。
当院は、患者さまの虫歯や歯周病の原因を診断する検査を行い、1人1人に合わせた適切な治療計画を立案させていただきます。
歯の寿命を延ばすことを第一に、患者さまの歯の健康を長期的な目線でサポートしていきたいと考えています。
歯科ドック(口腔内検査)について
歯科ドック(口腔内検査)とは
歯の疾患には必ず、”原因”が存在します。
その原因を特定するために必要なのが、口腔内の精密な検査、歯科ドック(口腔内検査)です。
歯科ドック(口腔内検査)の結果をもとにすれば、口腔内の全体に考慮した治療計画を立案することが可能となります。
部分的な検査を行い、症状に対して治療を行う方法もありますが、その方法ですと原因を根本解決できないので、再発を引き起こしやすくなります。
歯科ドック(口腔内検査)は、患者さまの生活習慣や口腔内全体の状況を把握し、原因を追究します。
優先的に行うべき処置を把握し、より良い治療計画を立案します。
患者さまとのカウンセリングの時間を設け、治療期間や治療費、内容について丁寧にご説明いたします。
MTMは歯科予防プログラムであり、多方面の検査を行い、虫歯や歯周病の原因を除去する処置が可能です。
患者さま1人1人の口腔内の状況に応じた処置ができるので、虫歯や歯周病になりにくい環境を作りやすいといえます。
現在の日本の歯科治療の多くは、症状の改善が目的になっていることが多いです。
日本人のその認識は再発を繰り返す要因となり、結果的に歯を失ってしまう人が多いことに通じます。
歯を失う原因の85%を占めるのは、虫歯や歯周病です。
原因がはっきりと分かっているのに再発が多いのは、原因に対しての追究や認識がまだ進んでいないからだと考えられます。
虫歯、歯周病の原因を診断する検査を行っていないこと、また虫歯や歯周病になる前に歯科医院に通う習慣がないことなどが主な原因です。
当院は、患者さまの虫歯や歯周病の原因を診断する検査を行い、1人1人に合わせたより良い治療計画を立案させていただきます。
歯の寿命を延ばすことを第一に、患者さまの歯の健康を長期的な目線でサポートしていきたいと考えています。
口腔内の検査
当院は治療前に口腔内の検査を徹底しています。
詳しい検査結果をもとに、患者さまにとってより良い治療方法をご提案します。
口腔内の問題点の発見
口腔内の状態を把握し、問題となる部分を把握します。
症状の原因や問題となっている原因を確実に突き止めることが大切だと考えています。
正確な診断と的確な治療
診断後は、より良い治療計画を患者さまにご説明し、ご納得いただいた上で治療を開始します。
患者さまのお悩みや症状の原因をしっかりと把握し、適切な処置を行うことが重要です。
患者さまの口腔内の環境の改善、健康の維持ができるように的確な治療を進めていきます。
口腔内検査
当院は歯科ドック(口腔内検査)を実施しております。
当院の口腔内検査は、二種類です。
- 歯科ドック(口腔内検査)
- オーラルチェック
虫歯や歯周病の有無、細菌検査、レントゲン撮影と多角的に口腔内を隅々までチェックします。
歯科ドック(口腔内検査)
歯科ドック(口腔内検査)の項目は、全部で13あります。
口腔内の状態を13の項目で検査し、分析します。
検査費用 | 44,000円(税込み) |
---|---|
検査項目 | 13項目 |
検査時間 | 約2時間 |
オーラルチェックは、全部で5項目を検査し、分析します。
口腔内検査の流れ
STEP01
カウンセリング(約60分)
問診票にご記入いただき、患者さまの状況を把握した上でカウンセリングを行います。
現在の口腔内のお悩みや症状、歯科以外の病気・疾患、常用薬、アレルギーの有無、生活習慣、ご家族の病歴なども詳しくお聞かせください。
カウンセリングは、約30分ほどです。
口腔内検査についてご質問や不安な点がありましたら、些細なことでも、歯科医にご相談ください。
STEP02 口腔内検査
現在の口腔内の状態を把握し、問題となっている箇所、根本的な原因を突き止めます。
原因を特定し、把握したところで、患者さまにとってより良い治療法をご提案させていただきます。
検査 | 歯科ドック(口腔内検査) |
---|---|
1)レントゲン検査 | ○ |
2)LB菌の検査 | ○ |
3)口腔内写真撮影 | ○ |
4)ペリオスクリーン | ○ |
5)唾液量の検査 | ○ |
6)唾液緩衝能の検査 | ○ |
7)CT検査 | ○ |
8)SM菌の検査 | ○ |
9)位相差顕微鏡での 細菌検査 |
○ |
10)歯周病の検査 | ○ |
11)虫歯の検査 | ○ |
12)歯の模型作製 | ○ |
13)プラーク量の検査 | ○ |
検査1)
レントゲン検査
口腔内のレントゲン写真を撮影して、目には見えない部分の検査を行います。
虫歯や歯の根の状態、歯を支えている骨の状態までも把握し、治療に役立てます。
検査2)
LB菌の検査
虫歯の原因菌となるLB菌(ラクトバチラス菌)の検査です。
虫歯を進行させるこの菌は、毎日の歯磨きによって、菌の数が大きく変わります。
LB菌の検査は、細菌を培養して菌の数を調べるため、検査結果が出るまでに4日間の時間がかかります。
検査3)
口腔内の写真撮影
レントゲン写真では分からない歯茎の状態を撮影します。
口腔内写真撮影は、治療前、治療後の比較としても役立ちます。
検査4)
ペリオスクリーン
ペリオスクリーンは、唾液の中に含まれる血液の量を検査するものです。
唾液を採取し、試験紙で血液反応の有無を調べます。
歯茎に炎症がある場合は目には見えない出血があるため、血液反応が”陽性”となります。
検査5)
唾液量の検査
無味のガムを患者さまに一定時間噛んでいただき、唾液の量を計測するものです。
計測時間は5分間で、正常な場合、唾液の分泌量は約4~5mlとなります。
分泌量が4ml以下の場合は、”虫歯になりやすい”と診断できます。
検査6)
唾液緩衝能の検査
口腔内は唾液によって”中性”に保たれています。
食後の口腔内は”酸性”となり、通常は、それをもとに戻そうとする緩衝作用がはたらきます。
唾液のpH値(ペーハー)を測定することで、この緩衝作用がどのくらいはたらいているかを判定することができます。
緩衝能が高い場合は虫歯のリスクが低く、緩衝能が低い場合は虫歯のリスクが高いと判断されます。
検査7)
CT検査
レントゲン写真では分からない顎の骨の状態、神経の有無やその位置、歯根の形態を調べられるのが歯科用CTによる検査です。
立体的に口腔内の状態を把握することができる方法で、インプラント治療、根尖性歯周炎、親知らずを抜歯する際にも必要となる検査です。
検査8)
SM菌の検査
虫歯の原因菌の1つとなるSM菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌)の数を調べる検査のことです。
この検査は、患者さまの歯垢(プラーク)を採取して検査にかけます。
SM菌は母子感染によるものが多く、3歳になるまでに菌の数がほとんど決定するといわれています。
検査結果としては、青い斑点が多いほど、SM菌が多く、虫歯になりやすいといえます。
検査9)
位相差顕微鏡での細菌検査
歯周ポケットの深部より歯垢(プラーク)を採取し、位相差顕微鏡を用いて細菌の検査を行います。
虫歯菌は丸く連なって集まっていますが、歯周病菌の細長い細菌は、歯周ポケットの内部を自由に動き回っているのが確認できます。
虫歯菌も歯周病菌も進行するほど細菌が多く、動き回る様子を目視で確認することができます。患者さまにもモニターでその様子をご覧いただき、予防に努めていただきます。
検査10)
歯周病の検査
1本の歯の歯周ポケットを6箇所に分け、その深さを1箇所ずつ専用の器具で測定していきます。
歯周ポケットの深さは、1~2mmが正常値、3mmとなると軽度、4~5mmで中等度、6mm以上にもなると重度だと診断されます。
あくまでも進行具合を示す目安になるもので、出血や炎症の有無の方が重要視されます。
歯周病は”部位特異性”があり、進行度が部位によって大きく異なるため、詳細な診査が必要です。
歯周病特有の動揺度や根分岐部病変についても併せて検査を行います。
検査11)
虫歯の検査
虫歯の有無や、既にある虫歯の進行状態を検査します。
既にある被せ物や詰め物の材料の把握や適合状態の他、口腔がんや粘膜病変がないかも併せてチェックしていきます。
検査12)
歯の模型作製
患者さまの歯の模型を作製して、噛み合わせや歯並びを視覚的に判断できるようにします。
また、治療前の状態を模型にしておくことで、治療後の状態と比較することもできるようになります。
検査13)
プラーク量の検査
口腔内の歯垢(プラーク)を赤く染め出す検査方法です。
この検査では、磨き残しの量やブラッシングのやり方をチェックすることができます。
検査後は歯のクリーニングを行い、赤く染まった部分を落とすように歯垢を除去します。
STEP03
医師から治療に関する説明
全ての検査結果が出るまでに約1~2週間の時間を要します。
検査結果が出揃いましたら、歯科医より、治療内容や期間について、丁寧にお話させていただきます。
今後の治療に関する疑問点や不安なことがございましたら、お気軽にお聞かせください。
- 検査結果のご説明
- 治療内容のご説明
- 治療費や治療期間
患者さまに全てご納得いただいた上で、次回以降治療を進めさせていただきます。
歯科の血液検査
当院は、抜歯や歯周外科手術、インプラント手術等、外科処置を行う際は、事前に血液検査を行わせていただいております。
血液検査の主なチェックポイント
- 栄養状態
- 感染症
- 貧血
- 糖尿病
- 炎症反応
- 薬の代謝、排泄に問題がないか
- 血が止まりにくくないか
- 術後の治癒に問題はないか
血液検査を行っている歯科医院はまだ少ないため、「血液検査は本当に必要なの?」と疑問に思う患者さまもいらっしゃるかもしれません。
しかし、この血液検査は患者さまに安心して外科手術を受けていただくためのもので、万全を期すために行っています。
また、歯周病と全身疾患の関連性を重視しているからでもあります。
近年の研究では、歯周病と全身疾患は大きく関わっているといわれています。
例えば、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などです。
この中でも特に歯周病との関連性が高いのが、”糖尿病”です。
血液検査で”ヘモグロビンA1c”の数値に異常がみられた時は、専門医やかかりつけの病院との連携をとり、口腔内だけではなく、患者さまの全身の健康を叶えるための歯科治療にシフトします。