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「歯ぐきが腫れた…」その原因は飲み薬?降圧剤・免疫抑制剤と歯周病の意外な関係

こんにちは。代官山WADA歯科・矯正歯科です。

 

「最近、なんだか歯ぐきがボッテリと厚くなってきた気がする」 「丁寧に磨いているつもりなのに、フロスが引っかかって通らない」

 

そんな違和感をお持ちではありませんか? もし、あなたが現在、高血圧のお薬や免疫を調整するお薬を服用されているとしたら、その歯ぐきの変化は、単なる汚れや疲れのせいではなく、お薬の影響である可能性があります。

 

これを専門用語で「薬剤性歯肉増殖(やくざいせいしにくぞうしょく)」と言います。 「薬の副作用」と聞くと、怖くなって「薬を飲むのをやめようかな」と考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、どうか自己判断でお薬を止めないでください。それは全身の健康にとって非常に危険なことです。

 

この記事では、なぜお薬で歯ぐきが腫れてしまうのか、そのメカニズムと、お薬を続けながらお口の健康を守る方法について、院長の視点から分かりやすくお話しします。 正しい知識とケアがあれば、その腫れはコントロールできます。一緒に解決策を見つけていきましょう。

 

目次

 

1. ただの腫れとは違う?「薬剤性歯肉増殖」の特徴

一般的な歯周病による腫れは、赤くてブヨブヨしており、触るとすぐに血が出るのが特徴です。 一方、お薬の影響による「歯肉増殖」は少し様子が異なります。

 

歯ぐきが「増えて」歯を覆ってしまう状態

「腫れる」というよりは、歯ぐきの細胞が増殖して「分厚くなる」「硬くなる」というイメージが近いです。 歯と歯の間の歯ぐきが、ゴムまりのようにコロンと丸く盛り上がり、進行すると歯の半分以上が歯ぐきに埋もれてしまい、歯が短くなったように見えることもあります。 こうなると、見た目の問題だけでなく、歯ブラシが届かず汚れが溜まりやすくなり、結果として重度の歯周病や虫歯を引き起こす原因となります。

 

2. なぜ、飲み薬で歯ぐきが膨らんでしまうのか

「血圧の薬が、なぜ口の中に影響するの?」と不思議に思われますよね。

 

体の中で起きている「生産と分解」のバランス崩壊

歯ぐきの組織は、常に「新しいコラーゲンを作る」働きと、「古くなったコラーゲンを分解する」働きのバランスで保たれています。 対象となるお薬の一部には、歯ぐきの細胞に働きかけ、コラーゲンを過剰に作らせたり、逆に分解する働きを邪魔したりする作用があります。 その結果、「作られすぎて、壊されない」状態になり、歯ぐきの繊維がどんどん増えて分厚くなってしまうのです。

 

3. 影響が出やすいお薬の代表例

全てのお薬で起きるわけではありません。特に頻度が高いのが以下の種類です。

 

① 高血圧のお薬(カルシウム拮抗薬)

日本で最も処方されている降圧剤の一つです(成分名:ニフェジピン、アムロジピンなど)。 服用を始めてから数ヶ月〜1年ほどで、前歯の歯ぐきを中心に、帯状の盛り上がりが現れることがあります。

 

② 免疫抑制剤・抗てんかん薬

臓器移植後や自己免疫疾患に使われる「シクロスポリン」や、てんかん発作を抑える「フェニトイン」なども、歯肉増殖を起こしやすいことが知られています。

 

※ご自身のお薬が該当するか分からなくても大丈夫です。受診時にお薬手帳を見せていただければ、私たちが確認いたします。

 

4. 「薬を飲んでいる=必ず腫れる」わけではありません

ここが最も重要なポイントです。同じ薬を飲んでいても、歯ぐきがパンパンに腫れる人と、全く変化がない人がいます。その違いは何でしょうか?

 

運命を分けるのは「プラーク(汚れ)」の有無

実は、お薬単独の影響だけで歯ぐきが大きく増殖することは稀です。 お口の中に「プラーク(細菌の塊)」があり、もともと歯ぐきに炎症がある場所に、お薬の作用が加わると、「炎症×薬」の相乗効果で爆発的に増殖が進むのです。

 

汚れがある場所ほど、薬の影響を強く受ける

つまり、お口の中を清潔に保ち、プラークコントロール(歯垢除去)がしっかりできていれば、お薬を飲んでいても歯肉増殖を最小限に抑えることができるのです。 「薬のせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。ケア次第で状況は変えられます。

 

5. 歯科医院での治療アプローチ

では、実際に腫れてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

 

まずは「お掃除ができる形」に戻すこと

いきなり手術をすることはありません。まずは徹底的なクリーニング(スケーリング)を行い、原因となっているプラークや歯石を除去します。 ご自宅でのケア方法も見直します。腫れた歯ぐきは歯ブラシが当たりにくいので、ヘッドの小さいブラシや、ご自身の歯並びに合った補助用具を選定します。 お口の中が清潔になり炎症が治まると、それだけで腫れが引き、引き締まってくるケースも多々あります。

 

外科処置(歯肉切除)が必要になるケース

クリーニングを続けても改善せず、歯ぐきが歯を覆って食事がしにくい場合や、見た目の改善が必要な場合は、余分な歯ぐきを切り取る簡単な手術(歯肉切除術)を行うこともあります。 「お掃除しやすい環境」を整えることで、再発を防ぎます。

 

6. 内科の先生との連携(医科歯科連携)について

「歯ぐきが気になるから、明日から血圧の薬をやめよう」 これは絶対にやめてください。 高血圧や基礎疾患のコントロールは命に関わります。

 

勝手な断薬は厳禁!お薬の変更は可能?

歯ぐきの状態が思わしくない場合、私たち歯科医師から処方元の主治医(内科等の先生)へお手紙(診療情報提供書)を書きます。 「歯肉の増殖が見られ、コントロールが難しいため、可能であれば影響の少ない他のお薬への変更を検討していただけないか」という相談です。 全身の状態が許せば、お薬の種類を変えてもらえることがあります。それだけで歯ぐきが劇的に改善することもあります。 ※あくまで全身の病状が最優先ですので、変更できない場合もあります。その場合は、歯科的なケアで徹底的にサポートします。

 

7. まとめ:お薬は味方。お口のケアで副作用は抑え込める

お薬は、あなたの体を守る大切な味方です。副作用が出るからといって、敵視する必要はありません。

 

「お薬」と「プロによる口腔ケア」。この2つを両立させることで、全身の健康と、お口の健やかさは必ず守れます。 「薬を飲み始めてから違和感がある」「主治医に相談しにくい」という方は、まずは私たちにご相談ください。 あなたの体調とお気持ちを第一に考え、医科とも連携しながらベストな解決策をご提案します。

 

東京・代官山エリアで、お薬の影響を考慮した歯科治療・歯周病ケアなら、代官山WADA歯科・矯正歯科へお任せください。 スタッフ一同、親身になってサポートさせていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

渋谷区代官山T-SITE内の歯を残すことを追求した歯医者・歯科

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